乳歯の虫歯治療|流れ・期間とメリット・注意点
こんにちは。各務原市蘇原新生町、名鉄「三柿野駅」より徒歩20分、JR「蘇原駅」より徒歩15分にある歯医者「中西歯科」です。

お子さまの乳歯に虫歯が見つかり「どんな治療を受けるのか」「永久歯に影響しないか」と不安に感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。
乳歯の虫歯を放置すると、痛みや食事のしづらさだけでなく、将来の歯並びや健康な永久歯の生え方にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、適切な治療を受けることが大切なのです。
今回は、乳歯の虫歯を治療する方法について詳しく解説します。お子さまの歯の健康を守りたいとお考えの保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
乳歯の虫歯の治療方法

お子さまの乳歯に見つかった虫歯には、進行度に応じたさまざまな治療法があります。ここでは、主な治療法について解説します。
フッ素の活用
乳歯の初期治療には、フッ素の活用が効果的です。フッ素には歯の表面を強化し、虫歯菌の酸によって歯が溶かされるのを抑える働きがあります。歯科医院でのフッ素塗布のほか、毎日の歯磨きの際にフッ素配合の歯磨き粉を使用することも有効です。
詰め物を使用した治療
乳歯の虫歯治療でもっとも多く行われるのが、虫歯で失われた歯の部分をレジン(歯科用プラスチック)などの材料で補う治療法です。小さな虫歯に適応され、削る範囲を最小限に抑えられるのが特徴です。
治療の流れとしては、まず虫歯部分を丁寧に取り除き、その部分にレジンを詰めて形を整えます。乳歯は永久歯よりも柔らかく虫歯の進行が早いため、早期発見と迅速な治療が重要となります。
根管治療
乳歯の虫歯が進行して神経まで達した場合、感染をくい止め、歯を残すために根管治療(神経の治療)が行われることがあります。
治療時には、まず局所麻酔を行い、虫歯菌に感染した神経や歯の組織を丁寧に取り除きます。その後、しっかりと消毒を行い、薬剤を詰めて密閉します。乳歯の場合、永久歯への影響を考慮し、可能な限り抜歯を避けて歯を保存することが重要です。
ただし、感染が広がっている場合には抜歯を選択することもあります。
抜歯
乳歯の抜歯が必要となるケースは以下の通りです。
- 虫歯が進行して歯の根元まで細菌感染が及び、保存が困難な場合
- 周囲の歯や永久歯の発育に悪影響を及ぼす恐れがある場合
- 歯の根の先に膿ができて腫れや痛みが強い場合
- 歯が大きく崩壊して治療器具での修復が困難な場合
抜歯後は、永久歯の生え変わり時期や噛み合わせへの影響を考慮し、必要に応じて永久歯が正しく生えるためのスペースを確保するスペースメンテナー(保隙装置)などを使用する場合があります。
乳歯の虫歯治療の流れ

実際の治療がどのように進むのかを説明します。
初診と診断
まず、問診や視診、必要に応じてレントゲン撮影などを行い、虫歯の進行度や周囲の歯への影響を確認します。お子さまの年齢や生活習慣も診断の参考となります。
治療計画の立案
治療計画の立案では、虫歯の進行度や範囲、乳歯の生え変わり時期を総合的に評価します。例えば、虫歯が初期段階であればフッ素塗布や経過観察が選択されますが、進行している場合は虫歯部分を削って詰め物を詰める治療が必要になることもあります。
乳歯は永久歯への影響を考慮し、できるだけ歯の保存を優先しますが、痛みや感染が強い場合は早期治療が重要です。治療方針は、子どもの年齢や協力度、生活習慣も踏まえて決定されます。
虫歯の治療
ごく初期段階の虫歯であればフッ素塗布やブラッシング指導で経過観察を行うこともありますが、進行している場合は、先述したような進行度に応じた治療を行います。進行するほど、治療が複雑になりお子さまの負担も増えるため、早期発見・早期治療が重要です。
治療後の経過観察
治療後は再発や治療部位の異常を早期に発見するため、通常1〜3か月ごとに定期的な経過観察が推奨されます。特に小さな子どもは虫歯の進行が早いため、治療後も歯科医師の指示に従い、定期的なチェックを受けることが重要です。
観察時には以下の項目を確認し、必要に応じて追加治療や予防処置が行われます。
- 詰め物や被せ物の状態
- 歯ぐきの腫れや痛みの有無
- 歯の生え変わりの進行状況
乳歯の虫歯を治療するメリット

適切な虫歯治療を行うことで得られる効果についてご説明いたします。
将来の歯並びへの悪影響を予防できる
乳歯は永久歯が正しい位置に生えるためのガイドの役割も持ちます。そのため、虫歯を放置して早期に乳歯が失われると、次に生えてくる永久歯の歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす可能性があります。適切な治療を行うことで、永久歯の健全な成長をサポートできます。
咀嚼機能が維持できる
乳歯が虫歯で痛んだり抜けたりすると、食べ物をしっかり噛めなくなり、栄養バランスや消化にも影響が出ることがあります。治療によって乳歯の機能を保つことで、子どもの健やかな発育を支えます。
痛みや腫れの早期改善ができる
虫歯が進行すると痛みや腫れが生じ、日常生活に支障をきたすことがあります。早期に治療を受けることで、こうした症状の悪化を防ぎ、子どもが快適に過ごせるようサポートします。
乳歯の虫歯治療に伴う注意点

治療を受ける際は、治療に伴う注意点についても理解しておくことが大切です。
治療時の痛みや恐怖心への配慮が必要
乳歯の虫歯治療では、治療中に痛みを感じたり、器具の音や雰囲気から恐怖心を抱いたりするお子さまも少なくありません。
特に初めての治療では、不安や緊張が強くなる場合があるため、保護者の方はお子さまの気持ちに寄り添い、歯科医師と連携して安心できる環境づくりを心がけることが大切です。
治療後の再発リスクがある
乳歯は永久歯に比べて歯質がやわらかく、治療後も虫歯が再発しやすい傾向があります。治療を受けたからといって油断せず、日々の歯磨きや定期的に歯科受診を続けることが、再発予防につながります。
通院や治療にかかる負担がある
治療には複数回の通院が必要になることもあり、保護者の方やお子さまにとって時間的・精神的な負担となる場合があります。スケジュール調整やお子さまの体調管理を考慮しながら、無理のないペースで治療を進めることが望ましいでしょう。
乳歯の虫歯治療にかかる期間と通院頻度

乳歯の虫歯治療は、虫歯の進行度、治療方法、お子さまの協力度などによって治療期間や通院回数が変わります。ここでは、治療完了までの目安と治療後の定期検診の重要性について説明します。
治療期間と通院回数の目安
治療にかかる期間は、虫歯の進行度や治療内容によって異なります。
- 軽度の虫歯:1〜2回の通院で完了することが多い
- 中等度以上の虫歯:3回以上の通院が必要になる場合もある
- 進行した虫歯や複数歯の治療:数週間〜1か月程度かかることもある
通院回数は、1本の虫歯につき1〜3回程度が目安ですが、お子さまの不安や痛みが強い場合は、無理せず回数を分けて進めることもあります。通院の間隔は1週間ごとが一般的ですが、症状や歯科医院の方針によって調整されます。
治療後の定期検診の重要性
乳歯の虫歯治療が完了したあとも、お口の健康を維持するためには、定期的に検診を受けることが重要です。一般的には、3〜6か月ごとに定期検診を受けることが推奨されており、虫歯の再発を防ぐだけでなく、他の歯の状態を早期に把握することができます。
また、永久歯の萌出状況や歯並びの変化を確認する機会にもなり、将来的な矯正や予防処置の判断にも役立ちます。
定期検診では、フッ素塗布による歯質強化や、歯磨き指導・生活習慣の見直しなど、予防ケアも受けることができます。これらの取り組みによって、お子さまの口腔内の健康を長期的に守ることが可能になります。
治療後も継続的なフォローを行うことで、安心して成長を見守ることができる環境づくりにつながります。
まとめ

乳歯の虫歯治療は、虫歯の進行度に加え、お子さまの年齢や治療への協力度、虫歯の位置、永久歯への生え変わり時期などを総合的に判断して、最適な治療法が選ばれます。
治療には、噛む機能や永久歯の歯並びを守るといったメリットがある一方、治療に対する痛みや不安、再発リスクといった課題もあるため、予防と早期対応が重要です。
治療期間は症状や方法によって異なりますが、一般的には数回の通院が必要です。治療後も定期的に検診を受けることで、口腔内の健康を維持できます。
乳歯の虫歯治療は、お子さまの将来の歯の健康を守るための大切なステップです。保護者の方と歯科医師が協力し、お子さまが安心して治療を受けられる環境を整えることが何より重要です。
お子さんのお口の健康を守りたいとお考えの保護者の方は、各務原市蘇原新生町、名鉄「三柿野駅」より徒歩20分、JR「蘇原駅」より徒歩15分にある歯医者「中西歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、長年の経験で培った技術と日々の研鑽に基づき、虫歯治療から専門的な治療まで、お一人おひとりのお悩みに丁寧にお応えいたします。